セルフネグレクトという言葉を聞いたことがありますか?これを放っておくと部屋がゴミ屋敷となったり、孤独死などを引き起こす可能性が高まります。そのため、現在このセルフネグレクトが大きな社会問題として扱われています。
そこで今回は、このセルフネグレクトとは一体何なのか?そして、それによって起こりうるゴミ屋敷化や孤独死の原因と対処法についてお伝えしていきます。この記事を読んでセルフネグレクトについての知識を手に入れ、自分の親族や友人が自室をゴミ屋敷化したり孤独死を起こしたりしないように対策しましょう。
目次
セルフネグレクトが孤独死につながる原因
セルフネグレクトが、どうして孤独死を引き起こす原因になるのでしょう?以下で詳しくご紹介します。
セルフネグレクトとは
セルフネグレクトとは、自己放任といった状態のことを指します。この状態になると、食生活や身の回りに気を使わなくなり、自分の生活水準を徐々に下げていってしまいます。
この状態が悪化すると、清潔にすることを放棄しすぎて部屋中がゴミに埋め尽くされ、人間が生活するのに適していない状態となっていきます。普通なら、部屋がゴミ屋敷化すれば、掃除をしようと考えますが、セルフネグレクト状態の人は、だんだんとそんな部屋で1日を過ごすことに慣れていきます。
部屋は汚く、食生活にも気を使っていなければ、健康状態にも異常が発生します。しかし、身なりが不清潔 不潔であることを気にしたり、人に会いたくない、外出をしたくないといった感情が働き、結局1人部屋の中で寝て治そうとしたりします。
そうして、不清潔不潔な空間で体調を崩したたままでいると、最終的に孤独死につながってしまうのです。
セルフネグレクトになりやすい人
生きている限り、どんな人間でもセルフネグレクトになる可能性はあります。ですが、特に自己を放任してしまいやすい状態の人というのは存在します。
・世間や家族から孤立してしまっている人
・ショッキングな出来事などにより、無気力になってしまっている人
・認知症などにより自ら判断する力が衰えてしまっている人
・周りの目を気にして、助けを拒んでしまう人
・周りからの暴力などで心が病んでしまっている人
・経済面が苦しい状態の人
ざっと並べると、このような人たちが特にセルフネグレクトになりやすい傾向にあります。
セルフネグレクトの孤独死はゴミ屋敷と深い関係が!

セルフネグレクトが原因で孤独死してしまっている人の大半は、部屋がゴミ屋敷化しており、まるでゴミに埋まっているかのような状態で遺体が発見されることも多いです。セルフネグレクトになってしまった人は、自身に関わるほとんどを放棄してしまいます。
そうなると、自身や部屋を清潔に保つことや、食生活などの自身の健康に関係することにも無頓着になります。そして、それが悪化していくと、部屋の中にゴミや残飯などが散乱し、酷い場合はトイレに行くのも面倒になってしまい、排せつ物などを部屋中に巻き散らかしているような状態にもなります。
このような状態で生活を続けることで、体調が悪化していきます。そしてセルフネグレクトの人は、外との接触を避ける傾向が強いため、体調が悪化しても通院しない人がほとんどです。そうして治療も受けずに体調の悪化だけが進んでいき、最終的に孤独死に至ってしまいます。
セルフネグレクトの孤独死、どう対策すべき?
孤独死を防ぐためには、そもそもの原因であるセルフネグレクトを緩和する必要があります。セルフネグレクトになりやすい人のほとんどは、心に大きなダメージを負っている、周りの人間と関わりたくないというような状態の人です。
こうした状態を緩和する手段として一番効果的なのは、人とのコミュニケーションをおこなって、辛い気持ちを吐き出させることで、精神を安定させることです。精神状態さえ安定すればセルフネグレクトになる可能性も減ります。
本人を非難してはいけない
まず、絶対にしてはいけないのはセルフネグレクト状態の人を責めるような言葉を放つことです。その人も好きでそんな状態になってしまったわけではありません。それなのに、周りから攻撃的な言葉を受けてしまえば、ますます心を閉ざしてしまいます。
そうならないためにも、話しかけるさいの言葉には注意を払う必要があります。
心を開いて話せる人に頼む
心を閉ざしてしまっている人に対して、関わりの薄い人や、好印象じゃない人が会話をしようとしても警戒心を強めてしまう可能性が高いです。そこで、セルフネグレクトを患っている人が警戒せず心を開くことができる人に話をしてもらうのも1つの手です。
自治体のサービスを利用する
セルフネグレクトの人が安心して心を開ける相手が周りに存在しない場合、自治体などがおこなっている、そういった人たちを助けるサービスがありますので、そちらを利用してみましょう。
こうしたサービスのおこなっている職員などは心を閉ざした人との会話に関するスキルを身につけていますので、安心感もあります。
病気が原因の場合は治療をおこなう 心のダメージなどが原因になりそうな場合は、コミュニケーションをおこなうことで状態を緩和することが出来ると思います。ですが、精神的な病が原因の場合は会話による状態緩和は見込みが薄いです。そのため、こういった場合は、原因となっている病気を治療することで、セルフネグレクトになる可能性を下げていきましょう。
もしも身近で孤独死が起こったら…

身近な人物が孤独死していた場合、どのような対処をおこなう必要があるのでしょう?
近隣住民や遺族に負担がかかる
セルフネグレクト状態だった人の部屋は、大量のゴミや残飯ばかりか、排せつ物までもが散乱している可能性があります。そうしたものから放たれる、酷い臭いは近くに住んでいる人たちに精神的な負担をかけてしまいます。
亡くなった人に遺族がいた場合は、その保有していた財産を取得する権利があります。しかし、孤独死の場合は遺言などで相続関係の取り決めを生前におこなっていなかったという可能性も少なくありません。そのため、残された遺族だけで相続の分配などを相談しあう必要も出てきます。
死後数か月が経過している場合、特殊清掃が必要
孤独死した人の遺体は、発見が遅れることが多く、遅い場合は数か月も放置されていたというケースもあります。そういう場合は遺体が腐敗しきってほとんど原型をとどめず、さらに体液なども漏れ出しており、酷い状態になっています。
こうした腐敗のあとは、発見された部屋にもしっかりと残ってしまっていることが多いです。そのため、特殊な清掃をおこなう必要が出てきます。では、その特殊清掃が必要になった場合はどうすればいい よいのでしょう?
特殊清掃が必要になったらどうすべき?
特殊清掃を素人がおこなうのは難しいです。そのため必要な場合は、専門の業者に依頼することをおすすめします。遺体の体液や悪臭、そしてゴミや残飯など、さまざまな臭いや汚れを落としておかないと、いつまでも臭いは残ってしまいます。
特にマンションやアパートなどの部屋を借りていた場合は、しっかりと洗浄して臭いや汚れを落としておかないと、次にその部屋に住む住人に迷惑がかかってしまいます。そのため、信用できる業者を探し出す必要があります。
業者を選ぶときは、口コミサイトなどを使って評判をリサーチするとよいでしょう。実際に業者を利用した人の声なので、参考にするにはもってこいです。そうしていくつかの業者をピックアップしたら、次にそれらすべてに見積もり を頼みましょう。
そして、見積りの内容を比べてみてみましょう。こうすれば、信用できてコスト面もお得な業者を発見することができます。ただし、安いからといって見積り内容に不明瞭な部分がある業者を選ばないようにしましょう。
中には、悪徳業者のようなものも存在するからです。不明瞭な部分をなくすためにも、わからないことはどんどん業者に質問していきましょう。そうして不明点をなくすことで、「この業者は信頼できる」と確信してから依頼することをおすすめします。
まとめ
セルフネグレクトからの孤独死は現代社会において、重大な問題として扱われています。この症状への対処法はコミュニケーションです。セルフネグレクトになっている人のほとんどは、心に大きなダメージを負い、人との関わりを拒絶してしまっていることが多いです。
ただし、原因が心へのダメージではなく病気の場合は、その症状を治療する必要があります。孤独死した遺体は、発見が亡くなってから数か月後というケースもあります。そうして放置されていた遺体は腐敗しているため、部屋の中に酷い臭いや汚れを残してしまいます。
そのため、部屋の清掃をおこなう必要があるのですが、こうした酷い汚れを取り除くには特殊清掃をおこなう必要があります。特殊清掃をおこなう場合は、信頼できる業者を選び、臭いや汚れをしっかりと除去する必要があります。