特殊清掃業という職業をご存じでしょうか、聞いたことが無いという方もいらっしゃると思います。確かに身近な職業ではありませんし、普段から利用しているということもないでしょう。特殊清掃業とは、簡単に言うと孤独死や自殺した方の遺体があった部屋を掃除する職業です。孤独死により遺体の発見が遅れることはよくあります。数日で発見されるのはまだ良い方で、数ヶ月経ってから発見されるケースもあるそうです。亡くなった人は時期にもよりますが、数日から数週間で腐敗が始まります。腐敗した遺体からは、異臭騒ぎになるほど凄まじいニオイが発せられ、遺体から流れ出た体液が畳やフローリング、家具などに浸透してしまいます。発見が遅いと床を突き抜け建物の基礎部分にまで達することもあるそうです。特殊清掃業とはそういったニオイの消臭や体液が浸透した建物の清掃が主な業務なのです。最近では社会の高齢化が進み、一人暮らしをする高齢者も少なくありません。その高齢者が病気や事故で亡くなってしまうケースもあるのです。家族にとってはその方が亡くなってしまったというだけでも辛い出来事であるのに、その痕跡が色濃く残っている部屋があるというのは更に辛いことでしょう。特殊清掃業はそういった家族の苦しみを少しでも取り除く手伝いをしてくれるのです。