特殊清掃とは、人が亡くなった現場を清掃し、消毒や消臭などを施して原状回復を行う事を言います。そのサービスを聞いたことがない方はいらっしゃるかも知れませんが、これは近年注目を浴びているサービスなのです。なぜなら現代の、そしてこれからの日本においてさらなる需要が予想されているためです。
人の体は亡くなった瞬間から腐敗が始まります。当然時間が経つほど腐敗は進み、死臭や腐乱臭の発生、ハエやウジといった害虫の増殖、病原菌の発生などが問題となります。現場の状況によっては、遺体が原型を留めていないこともあるでしょう。このように腐敗が進んでしまう原因が、孤独死です。孤独死は現在増加傾向にあり、日本の社会問題としても注目されています。例えば東京都のデータによりますと、東京23区における一人暮らしの高齢者の死亡者数は、平成25年の段階で約2800人となっています。その10年前は1500人弱だったので、約2倍に増加している計算になります。また別のデータでは、相当期間(1週間)経過後に遺体が発見された件数も増加傾向にあります。
このように孤独死が増えている原因として、単独世帯数の増加が挙げられます。その割合は1975年の調査では約20パーセントとなっていますが、現在その割合は30パーセントを超えてさらに増加しています。その流れを簡単に変えることはできないかもしれません。しかし自分の最後を綺麗なものにするためにも、残された家族のためにも、孤独な生活は避けたほうが良いでしょう。ご家族とはもちろん、地域の方々との繋がりも疎かにしないほうがいいかもしれませんね。